ピンポンパールの寿命と飼い方をやさしく解説

ピンポンパールの平均寿命は5年前後ですが、水温や水質、餌に気をつければ10年以上生きることがあります。

しかし、飼育環境を整えなければすぐに病気になったり、寿命を縮めてしまいます。この記事ではピンポンパールをはじめて飼育する人が何を準備し、どのようなことに気をつけなければならないのかを解説します。

目次

ピンポンパールの寿命と飼育で気をつけること

ピンポンパール
ピンポンパールの情報
分類コイ目
コイ科
フナ属
学名Carassius auratus var. 45
別名珍珠鱗(チンシュリン)
パールスケール
大きさ15cm〜20cm
寿命平均5年
10年以上の場合もある
育成難易度
温度10〜26度
水質PH7.0〜PH8.0
硬度1〜19
繁殖産卵床への産みつけ
参考価格1,000円〜

ピンポンパールの平均寿命は5年

ピンポンパールの平均寿命は5年程度です。長く生きる個体では10年以上になることも珍しくありません。

金魚の寿命を伸ばすには適切な水温や水質のキープが必要不可欠です。

金魚は縁日でおもちゃのように扱われる側面から、丈夫と思われていますが、病気になりやすく平均寿命に届かないケースもザラです。

ピンポンパールは飼育が難しい金魚

飼育難易度むずかしい

ピンポンパールは体が丸々と大きくなる金魚でひっくり返ってしまう転覆病になりやすいです。そのため餌やりの量の調整や水温、水質をどれだけ安定させるかが鍵になります。金魚飼育に慣れていない人にとっては難しく感じるかもしれません。

ピンポンパールの飼育できる水槽

ピンポンパールを飼育するには最低限の水量を確保しないと水質のキープが出来なくなります。

小さい水槽ほどオシャレなデザインが多いですが、健康に育てる環境としては最悪というケースは珍しくありません。

金魚を水槽に大量に詰め込んだギャラリーが日本にはありますが、それらの金魚は病気になっていることが多いので参考にしてはいけません。

もし参考にするなら見た目だけでなく、内部機能(常に水がオーバーフローされるなど)も真似すべきです。自宅で飼育する1匹あたりの必要な水量は10Lが目安として必要です。以下の表を参考に飼育水槽を選びましょう。

金魚サイズ水槽サイズ数目安水量
5cm幅30cm×奥行20cm1匹〜3匹16L
10cm幅45cm×奥行き30cm1匹〜2匹27L
15cm幅45cm×奥行き30cm1匹〜2匹27L
20cm幅60cm×奥行き30cm1匹〜3匹57L

ピンポンパールの飼育に必要なもの

濾過フィルター

濾過フィルターは水質をきれいに保つために必要です。

濾過フィルターを設置しなくて良いケースはほぼないと考えるべきです。濾過フィルターがないことで水質がきれいに保てないのであれば、わかって設置していないことになるので虐待と一緒です。

濾過フィルター自体は高くなく、安く購入ができます。また、管理コストも低いので飼育するなら絶対に用意すべきです。水槽のサイズ(水量)に合ったものを選びましょう。

エアレーション

エアレーションはブクブクやポンプとも言われます。

金魚は体格も大きくなるのでエアレーションが欠かせません。エアレーションはストーンだけ入れてブクブクするのも良いですが、フィルター付きのものを使えば、きれいな水質を維持しやすくなります。

エアレーションがなくても育つには育ちますが、夏場になると水中の二酸化炭素濃度が上がるため、酸欠が原因で水が汚れやすくなったり、金魚が死んでしまうことがあります。

リスクを考えるとエアレーションはあった方が良いです。

水槽用ヒーター

金魚は無加温飼育でも育てることができますが、15度を下回ると動きが鈍り、病気になりやすくなります。また、室内飼育ではエアコンやヒーターがついている時とついてない時の寒暖差が激しいため、水温差から病気になることがあります。

水温を一定に保つことは病気のリスクを減らす上で重要です。金魚用のヒーターはそれほど高くないので用意すべきです。水槽用ヒーターが必要になるのは10月〜4月です。

水槽用クーラーもしくは水槽用ファン

金魚は30度の高水温でも耐えられることはできますが、夏場の水温はそれ以上になります。

水温が高いと二酸化炭素濃度が高くなるため、コケが発生しやすくなったり、水が汚れるスピードが上がります。さらに酸欠になるリスクがあるので水温を下げることは必要です。

水槽の水温を下げるには水槽用ファンを設置するか、水槽用クーラーを用意しましょう。水槽のサイズが60cmを超える場合は水槽用クーラーの方が確実に冷やすことができます。60cm未満の水槽では水槽用ファンでも十分に冷えます。

カルキ抜き

カルキ抜きは金魚を飼育する上で絶対に必要です。カルキ抜きせずに水道水を使うと残留塩素によって呼吸器を痛めてしまう恐れがあります。

カルキ抜きは100均で販売されているものでも十分効果を発揮します。

カルキ抜きにはハイポという結晶タイプと液体タイプがあります。液体タイプの方が早く残留塩素を中和できるので水換えの時に楽ちんです。

掃除用ポンプ

水槽を掃除するポンプはクリーナーとも呼ばれますが、金魚を飼育する上で掃除用ポンプがないとうまく水換えができません。

ピンポンパールの飼育で気をつける水温

水温は24度を維持すると良い

金魚は無加温飼育ができると言われますが、ヒーターで温度管理ができるなら18度は最低でも維持すべきです。18度を下回る状態で餌を与えていると転覆病になる恐れがあります。

金魚をより大きく健康的に育てるなら24度前後を目安に水温を設定しましょう。24度前後の温度は水草も育ちやすい温度なため、アナカリスやカボンバなど金魚藻と呼ばれる水草の発育も良くなります。

ピンポンパールに合うおすすめの餌

消化に良いおすすめの餌

きんぎょのえさ5つの力 胚芽
低水温時や体調不良時の腸の働きをサポートする金魚フード。消化不良になりやすい子におすすめの餌です。
テトラ プランクトン
テトラプランクトンは小さな顆粒状の餌で、植物性のスピルリナを多く含んでいるので消化しやすくておすすめです。
ネオプロス
熱帯魚全てを対象にしていて、食いつきもよく、水も汚れづらいのでおすすめです。少々高めですが買う価値ありです。

ピンポンパールを大きくする餌

冷凍クリーン赤虫
冷凍アカムシはタンパク質が豊富な餌です。食いつきも非常に良いため、身体を大きくしたい時におすすめです。しかし、水の汚れるスピードが上がります。
ミシロ 金魚増体用
タンパク質が51%以上と他の餌にはないのが特徴です。

ピンポンパールを飼育する流れ

飼育環境を用意する

ピンポンパールが飼育できる環境の用意から必要です。水量を確保できる容器とエアレーションは最低限用意すべきです。

極端な話、バケツとエアレーションだけでも飼育を始められます。他に必要な道具は以下の表を参考にご覧下さい。

水合わせをして入れる

自宅に連れ帰ったピンポンパールを新しい水にいきなり入れてしまうと、温度やPHの差でびっくりして死んでしまうことがあります。

PHの差でびっくりする現象をPHショックと呼びますが、PHショックを引き起こすと元の水に戻して回復することもありますが、回復できずにそのまま死んでしまうことがあります。

PHショックは非常に怖い現象なので、PHショックが起きないように連れ帰った時の飼育水と自宅の水槽内の水をチューニングする「水合わせ」をする必要があります。

簡単な水合わせは以下の手順です。

  • 袋の入った状態で水槽に浮かべて30分放置
  • 袋に穴をあけて水槽内の水が少し入るようにして30分放置
  • 袋を開けて金魚だけを水槽に移して終わり

5分で食べれる餌を与える

金魚に与える餌は1日1回〜2回、最長でも5分で食べきれる量を与えます。

5分間食べ続けられる量を無理して与える必要はなく、ピンセットでつまめる量を1回分でも問題ありません。

ご飯を与えすぎると転覆病になるリスクが上がるだけでなく、水の汚れるスピードも上がります。

掃除は最低でも1週間に1回

金魚はよく食べて、よく糞をするので定期的な掃除が必要です。

1週間に1回は水換えをするべきです。

水換えの時はホースで床にある糞を取り除きます。完璧を目指す必要はなく、水換えする量も多くて40%程度が理想です。

50%以上の水換えは水質が大きく変わるため、ストレスを与えてしまいます。水質の急変は病気の原因となります。

もし40%の水換えや1週間に1回の水換えで掃除が追いつかない場合、水槽が小さいか濾過フィルターが小さいことが考えられます。

ピンポンパールが病気かな?と思ったらすべきこと

ひっくり返ってしまう時の対処

転覆病
転覆病の例

金魚が真っ直ぐ泳げず、ひっくり返ってしまう症状を転覆病といいます。

転覆病になる原因は3つあります。生まれつきでなる、餌の消化不良によってなる、病気(カラムナリス菌)によってなるのいずれかです。

餌の消化不良による転覆病の割合が高いため、金魚がひっくり返って上手く泳げないことを発見したら最初の手当として塩浴をするようにしましょう。

塩浴をして絶食することで転覆病の症状が改善する報告が多く寄せられています。

身体に白い点々がついてる時の対処

エラやヒレの付け根に現れる白いブツブツは追い星といって繁殖期に現れるものなので害はありません。

しかし、頭部やヒレなどいたるところに付着している白い点は白点病の可能性が高いです。

いつもより気温が下がった日や暑い日から一気に低い気温に下がったという寒暖差がある時に発症しやすいです。

白点病は水槽内に常にいる寄生虫が原因なので塩浴では治りません。放っておくと大繁殖して水槽内が壊滅状態になります。

金魚への毒性が低く、白点病への薬効が高いアグテンを使用して1週間様子を見ましょう。

アグテンは水草のある水槽でも使用できるので金魚を隔離する手間がないのでおすすめです。

ヒレがバサバサになった時の対処

ヒレがボロボロになる原因は、カラムナリス菌が原因で起きる尾ぐされ病によるものです。

放っておくと転覆病や口ぐされ病、赤斑病、穴あき病などを引き起こして死にます。

カラムナリス菌は塩浴すると増殖するので、グリーンFゴールドや観パラDを使った薬浴が必要です。

ピンポンパールの飼い方によくある質問

ピンポンパールを飼育するのに適した水温は?

ピンポンパールを健康的に飼育するには最低でも18度の水温はキープした方が良いです。初心者の人は金魚向けの水槽用ヒーターや24度前後をキープできるオートヒーターがおすすめです。そのほかに必要なものは「ピンポンパールの飼育に必要なもの」をご覧ください。

転覆病にならないために気をつけることは?

転覆病にならないように気をつけるべきことは餌やりの頻度や消化の良い餌を与えることです。消化に良い餌は「ピンポンパールに合うおすすめの餌」をご覧下さい。

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